vol.12 緊張とさよなら [11/06]

ロンドンへ演劇の勉強に行っているキャラメルボックスの演出助手、白坂恵都子からメールが届きました。色々な授業を受けているようなのですが、毎日必ず時間をかけてやるのがストレッチやゲームなのだそうです。これは、身体と心の緊張感を取ってリラックスした状態で授業に入れるようにするためのものなのです。

舞台では自分の生身をお客さんにさらさなければならないので、どうしても固くなってしまいがちです。しかし、緊張していてはリアルで自由に表現することが難しくなってしまいます。そこで遊びのようなゲームをやるわけです。

人は大好きな遊びをしている時には緊張感から解放されていますよね。様々なゲームをすることによって楽しい状態を体験し、「楽しい自分」の状態を舞台上でも再現できるようにするわけです。西川浩幸の場合、舞台に出ていく時はお客さんを好きになるようにしてます。そして、お客さんも自分のことが好きだと思うようにしています。いくら心配してもお客さんの気持ちを100%理解することは不可能ですし、無駄なので、自分に都合の良いように考えるわけです。

簡単に言うと「思い込み」ですね。日常で思い込みが激しいのはやっかいなものですが、舞台ではとても便利な思考回路になります。だって、本番中に「下手くそっ〜!!」とか「つまんな〜い」などと言われることはまずほとんどありえないのですから。…そう考えるとスポーツ選手は大変ですね。めちゃくちゃヤジられたりしますからね。その点舞台は安全です。

キャラメルボックスの中村恵子は「その気になった」時は無敵になります。キャラメルボックス初期の頃の稽古で、中村恵子がおさ毛髪のキャラクターを演じている時に言った名言があります。「その気になる髪形なの」 彼女にとって髪形がポイントだったわけです。

どんな形から入っても良いと思います。自分が上機嫌になれる物や気持ちを利用してみてください。一番大切なのは、自分で自分を殺さないことなのです。

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